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高校の図書館ってどんなとこ?

山形県立
鶴岡中央高等学校
平成10年に開校した鶴岡中央高校の学習センターは、
らせん階段が目をみはる吹き抜けの大空間。
環境的にも、設備的にも、とても恵まれた図書館です。
学習センター課長の佐藤照子先生にお話を伺いました。

旧鶴岡家政高校と旧鶴岡西高校が合併して、平成10(1998)年開校。普通科4クラス、総合学科4クラス。(総合学科は国際交流・情報科学・美術デザイン・家政科学・社会福祉の5系列)。単位制・二期制。生徒数948名、職員数86名。校長・山岸文章

平成10年に開校した鶴岡中央高校は、3つの棟と体育館に囲まれた校舎の真ん中に、「学習センター」と呼ばれる学校図書館があります。館内は通り道にもなっているため、休み時間になると、次の授業に移動する生徒で大にぎわい。授業中には生徒たちが資料を探しに訪れ、放課後になると読書や受験勉強に勤しむ生徒の姿も多く、「高校の図書館には生徒が来ない」という概念がくつがえされるような光景です。
  しかし、これほど活気ある図書館でも、貸出冊数が低迷し、単なる通り道になっていた時期があったと、学習センター課長で国語科の佐藤照子先生は話します。「担当クラスを抱えていた時は、私も忙しくて館内をただ駆け抜けるだけでした(笑)。でも、学習センターの仕事に集中できる立場になった時に、改めて設立時の意義をとらえ直してみたんです」。
 


学習センター委員による放送呼びかけで、毎朝10分間、全校の朝の読書を実施中。委員会はほかにも「センター月報」を発行するなど、精力的に活動しています。
 
すべての道は
学習センターにつながる

生徒昇降口の真上、中央棟2階にある学習センターは、本の配列やディスプレイなど、生徒を惹きつける工夫が随所にあります。通りすがりに足を止める生徒も結構多いとか。らせん階段をのぼった3階には、個人用閲覧席のあるキャレルコーナーがあり、そこで熱心に勉強する生徒たちも多いそう。
  中央高校は、総合学科や単位制という新たな教育課程を、全国に先がけて取り入れた、新しいタイプの学校です。佐藤先生は、この状況における学習センターの役割を、学校の象徴であり、これからの教育を創造するための中核なのだと再確認しました。「ただ、いくら設備や環境が整っていても、支える人がいなければ図書館は生きてきません。学習センターの仕事に専念できる私が、学校司書と力を合わせて頑張らなければと思いました」。
  その後、佐藤先生と学校司書が連携して、明るく使いやすい雰囲気の学習センターづくりを開始。平成16年度に立ち上げた「1000人の朝の読書」を定着させ、委員会活動を盛んにし、学習センター便りで情報を発信し続けるなど、さまざまな工夫を重ねてきました。その結果、貸出冊数が増え、授業に活用する教科も増えるなど、利用状況に少しずつ変化が現れます。「学習センターを宝の持ちぐされにしないためには、生徒や先生たちにつなげる“人”が必要ですからね」。
  子どもの読書を推進する法律が定められた近年、本に親しむための環境づくりが全国的に進められています。子どもたちの一番身近にある学校図書館はその最たるもの。どの学校でも、図書館が十分に生かされることを期待します。


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長谷川結=取材・文
text by Hasegawa Yu

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