青い地球の恩恵にあやかって、大海原を贅沢に味わおう。
とれたての海の幸をご飯にのせて一気に食す。海鮮丼、大漁丼、うにいくら丼、鉄火丼…。色鮮やかな海の産物たちは、なんと贅沢な味わいと喜びを、私たちに届けてくれることだろう。
そもそも海の世界は果てしない。地球を表面積比でとらえると、陸と海の割合は三対七。深さの平均は富士山の標高よりも深く、最も深い海溝はエベレスト山を二千メートルも上回る。当然、海に生息する生物の種類や数は陸のものとは比にならず、地球上のすべての生物を重さでみると、その九割が海のものとまでいわれている。青い大海原の下には、私たちの想像を超えた遥かな世界が広がっている。その神秘なる海のかけらを、日常的に垣間見せてくれるのが、海の幸の「丼」である。それらの丼はリーズナブルであるにもかかわらず、大海の食物連鎖が生みだした多くの魚介類が、食べる者のお腹を満たし、広大な海への扉を開いてくれる。つまり、とってもお得でありがたい食べ物なのである。
「海鮮どんや とびしま」の「海鮮丼」は、豊富な種類のネタ、その活きのよさ、ボリューム、コストともに、そんなありがたい海の幸丼の代表格。庄内沖近海で獲れた十数種の旬の魚貝類を、百花繚乱のごとく酢飯の上に盛り合わせている。ほかにも海鮮カニ丼や超人気の限定膳などが揃えられ、連日、県内外から訪れるたくさんの観光客や地元ファンを恵み多き日本海へと誘っている。店名どおり海鮮丼の宝庫といえよう。
老舗「武蔵寿司」の「まぐろ大漁丼」は、世界の大海を回遊するマグロをたっぷり堪能できる昼限定のサービス品。若き四代目を中心に、試行錯誤を繰り返して改良したというこの丼は、鮮やかな赤身のメバチマグロのづけとネギトロ、そして酢飯との間に敷かれた刻みタクアンが、絶妙な食感と旨味のバランスを引き出している。
注目は鶴岡「柏戸銀寿し」の「もっとも丼」。
ソフトシェルクラブという脱皮直後のワタリガニの丸揚げを酢飯にのせた丼で、現社長である奥さんが初めて食べた時に「今まで食べた中でもっとも旨い」とコメントしたことが商品名のきっかけとなった。カリカリと香ばしい殻、口に広がるやわらかな身の甘さ、酢飯とレタスのさっぱり具合。一度食べたらやみつきだ。
参考資料=(財)日本海事広報協会HP
「海と船博物館ネット」内「海と船なるほど豆事典」 |